ほんと、正義ってはしたないですね。
(松尾スズキ著:「サビシーマン」より)
松尾スズキさんの文章を読むと、ギクリとする。
なんというか、「隙」を突かれたようなギクリ感。
ばっちり化粧してめかしこんでるけど実は手入れ怠っててブサブサになってるカカト、を見られちゃったようなギクリ感。
ボディクリーム塗ってなくて粉ふいちゃってるスネ、を見られちゃったようなギクリ感。
ハンドクリーム塗ってなくてちりめんのようなシワが寄っちゃってる指マタ(顕著なのは親指と人差し指の間)、を見られちゃったようなギクリ感。
カッコイイブーツ履いておきながら実はその下に履いてる靴下が5本指ソックスで、そんな時に限ってお座敷に通されちゃう時のようなギクリ感。
もしくはそれら全部完璧にこなしてつつがなく過ごしていても、「完璧」を作り上げる場所(自宅)が実は超汚部屋であるという「もともこもない」状況がバレちゃったときのようなギクリ感。
松尾スズキさんの文章を読むと、そういう、「強化していない部分」、しかも、「切実に恥ずかしい部分」を指摘されたような気まずさを感じる。
引きずり下ろされるような、ひん剥かれるような、抗いようのない敗北感。そしてあたしは、そういう、抗いようのない敗北感を感じた時、同時に、多大な魅力も感じてしまう。
ああ、もう、松尾スズキさんが書いた文章に添い寝してほしい。
松尾スズキさんが書いた文章と一緒に写メが撮りたい。
そして待ち受けにしたい。
完全に、「文章」から入った松尾スズキワールド。
あたしはいまだに「大人計画」の舞台を観に行ったことがない。
動く松尾スズキさんは、「恋の門」と、FMVのCMと、「クワイエットルームへようこそ」の舞台挨拶と、youtubeに上がってた「大人計画社歌」のPV(?)でしか見たことがない。
つまるところ、あたしは松尾スズキさんのことをよく知らない。書いたものしか見ていない。
だけど、あたしはあの文章を書く人になら本気で抱かれたいと思う。
なんかいつもここに行きついちゃって、即物的で品がなくて申し訳ないけど(誰にともなく)、要は、「この遺伝子が欲しい!」っていう、シンプルでストレートな本能的欲求なのだと思う。
がしかし現実はのっぴきならない大人の事情(※)が数多く存在するので、あたしの本能的な欲求は往々にして昇華できず、風化していくのを待つしかない。ままならない。抱かれ隊。(まだ言うか)
※のっぴきならない大人の事情=まず、ツテがない。
定期的に読み返す松尾スズキさんの本はいくつもあるけど、中でも、手に取る頻度が高いのが「ギリギリデイズ」。
この本は、ウェブ上に綴られてた日記が本になったものなんですが(しかも、初版は2002年とかで相当前)、ブログをやってるあたしのような人間に沁み入る言葉が数多く出てくるのです。
岩松了さんから本が届く。『食卓で会いましょう』。ポット出版。(中略)
岩松さんの「作家が何かを言いあてようとする傲慢」に関する言葉はいつも胸に沁みる。もっとも岩松流にあれすれば、胸に沁みる言葉というのも怪しいことになってくるわけだが。
「なにかを言い当てようと」して言葉は生まれた。でも、言いあてようとした瞬間、いつもなにかは逃げる。それを屈辱と思わない強さはまだないが、「当てなくてもいいか」という開き直りと言葉に関する後輩感はあるつもりだ。
(「ギリギリデイズ」より)
あたしの貧弱なボキャブラリーでは、この文章を読んで感じたことを、それこそ「言い当て」られないので、開き直ってシンプルに言ってしまう。
分かる!!
おお…。シンプルすぎて誤解を招きそうだ。考えが一緒!なんて傲慢なことは一切思ってない。
だけど、すごく「分かる!!」って思った。
「思い」が、自分の胸の中を出ないうちには、鮮烈な彩りと、無限に広がる奥行きを持っているのに、「言葉」として外へ出た瞬間に、鮮烈な彩りは褪せて、ぐっと薄っぺらなものになってしまう。
胸の中から外へと引っ張り出すときに生じるこの「落差」や「誤差」や「温度差」を、あたしはずっと感じ続けているし、歯痒い思いをし続けている。これからも、その思いが消えることなんてないだろうし、ずっと歯痒いままなのだろうとも思う。
ボキャブラリーが貧困だからって別に死ぬわけじゃないし、普通に生きていく分には、物事を特別ウマく言い表す必要なんて無いんだけど、でもあたしは思いの丈をしたためることが好きだし、思いの丈をしたためることがあたしの場合、唯一とも言えるデトックスツールになってしまっているし、そして「素敵だ」と思う事があれば出来るだけ明確にその「素敵さ」を誰かに伝えたいと思ってしまう。だって、「素敵だ」と思うことは分かち合いたい。そしてあたしが「素敵だ」と思うことを、全く同じ、とまではいかなくても、限りなく近い温度で素敵だと思ってくれる人と一緒に居たい。
「素敵だと思ったこと」と「素敵だと伝えること」に誤差や落差や温度差が生じても、そしてどれだけ頑張ったってその差が埋まることなどなくても、「埋めたい」という気持ちだけは捨てたくない。「かなわない」ことは受け入れつつ、認めつつ、見苦しくても、足掻いたりもがいたりしていたいと思う。
全身粘膜症状を頻繁に発症するあたしは、至極些細なことでも簡単に心に擦り傷を作り、やめときゃいいのにその傷を自分でいじくるようなことをやる。被害を拡大させる。
そんな自分の弱さを肯定するだけの強さや、そんな自分のめんどくささを笑って流せるほどの広いキャパは持ち合わせていないけど、「でも一生付き合っていかなきゃいけなんだもんなあ。こいつ(あたし)と」という諦念と、あたしが付き合わないで誰が付き合ってやるんだ、という「ほっとけなさ」は感じている。自分に対してそれくらいの愛着は持っている。
付き合いの良さには定評がある。
何時まででも、何年先まででも付き合ってやるつもりでいる。
いろいろ平気になりたいが、たぶん、平気になったらなった時、俺は何も書けなくなるのだろう
(「ギリギリデイズ」より)
あたしも、自分が、「全身粘膜」じゃなくて、「全身角質」みたいに強固なものになってしまったら、たぶん、「デトックスツール」としてのブログなんて、必要なくなると思う。
生きていくのに、多少の毒は必要で、必要だから毒を取り入れるのに、取り入れた毒を排出する場もまた必要で。
ああ、因果。人間って、ていうか、あたしって、ほんと、段取り悪い。要領悪い。頭悪い。
今年八月に刊行された「中年入門」は、今回引用した言葉達が全部入ってる、松尾スズキさんの名言集。
いやしかし、松尾スズキさんは「名言集」だなんて言われること、本意ではないかもしれませんけど…。
この本買ったのは発売直後で、買った直後から松尾スズキさんのことが書きたかったのに、例によって例の如くうまく言い表せないもんだから、書きあげるのにめちゃくちゃ時間が掛かってしまった。
松尾スズキさんのブログにトラックバックしようかどうしようかを激しく悩んでいる。
ブログに堂々と書いといて今更の羞恥心。
>残る一割は、中村航の「リレキショ」デス。
ままま、マジですかー!あたし、一番最近読み終わったのが「リレキショ」で、しかも「リレキショ」について…というか、「リレキショ」を見て個人的に思ったこと(でも本編とはあんまり関係ないこと)をちょうど日記に書いてる途中で下書き状態なので、なんだかすごくタイムリーで、ちょっと興奮してしまいました(笑)
あたしは、「リレキショ」と「100回泣くこと」と「絶対、最強の恋のうた」しか読んだことがないのですが、後者ふたつも好きでした。
>読んでてこの人、すっごい良い会話してきた人なんだろうなあって思います。
登場人物の若い男の子たちが、若いのにすごく思慮深いというか、ガツガツガサガサしてない熟れた感があるというか、なんていうんだろう、一貫して品がありますよね。
絶対、そんな若い子いない(と思う)んだけど、「そんなやついねーよ」って皮肉りたくないというか。こんな子いてほしいー、って思ってしまう、好感の持てる人物たちが多いですよね★
残る一割は、中村航の「リレキショ」デス。
読んでてこの人、すっごい良い会話してきた人なんだろうなあって思います。
中村航ガサッと借りてきて読んでるのですが、やっぱり「リレキショ」サイキョー。
「ぐるぐるまわるすべり台」も良かったです。
お洒落は、時にガマンかと思ってたけど防寒にもなるなんて一石二鳥ですね
あたし、ほんとにドラマを見ないので、知りませんでした(笑)
インザプールの映画とかにも出てらっしゃるんですけどね〜。なかなか映像で動く松尾スズキさんを見る機会がなく。
>くうっ勝率1割に減。でも読めてよかったです。
残り一割に入った本がとっても気になります!!
なんだったのでしょうか。
>そんなにスズキさんスキならYOU、トラックバックしちゃいなYOー
「ぶっちゃけ」トークは出来てもこういうアクションは起こせないチキンです(笑)
>あ、あとワンピースに黒革手袋、甘辛でかっこいくて失神しそうでした。では
マジですかー!!ありがとうございます!
最近は七分とか五分袖の服にロンググローブを合わせる、というのもよくやってます。日中と夜間の温度差が激しいので、グローブを持ち歩いてるのですが、なかなか良い防寒になります。
松尾スズキさんのこと、ほとんど知りませんが、映像になりますがクドカン脚本のドラマ、「マンハッタン・ラブストーリー」に結構ガッツリ出てます。
YOUの旦那さん役で、酒井若菜を恋人にもってる役だったような…
ご存知かもしれませんがオモロいドラマだったので一応。
この夏私は心のおもむくままに感性のみで10冊くらい図書館で本を借りてみたのですが、ほとんどが「時間を返せー!」というようなものばかりで。
2冊だけ、素敵な本だったのです。
勝率2割。
うち一冊が「クワイエットルームへようこそ」でした。
でもよく考えたら、奈々っぺさんが推してたのが頭の片隅にあったから借りたのですね
くうっ勝率1割に減。でも読めてよかったです。
そんなにスズキさんスキならYOU、トラックバックしちゃいなYOー
あ、あとワンピースに黒革手袋、甘辛でかっこいくて失神しそうでした。では





































































































































































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