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山本文緒

好きな小説家は誰?と聞かれたら、筆頭に答える名前は山本文緒さん。

山本文緒作品に触れるきっかけとなったのは、2001年に刊行された寄田みゆきさんの「ブラック・ティー」という漫画。
可愛らしい絵によって描かれているにも関わらず、それは「いかにも」な少女漫画とは異なる妙な色合いで、だけどその妙な色合いというのは奇抜な極彩色などではなく、明るい色にほんの数滴黒色を混ぜたような、隠し味のような後ろ暗さを感じさせる色合いなのでした。

その、「ブラックティー」という漫画の原作を書いていたのが山本文緒さん。
マンガで感じた不思議な後ろ暗さに惹かれ、ブラックティーを含むいくつかの山本作品を数冊購入。
ブラック・ティー」「絶対泣かない」「みんないってしまう」「紙婚式」、直木賞を受賞した「プラナリア」などの短編集から読みはじめ、「眠れるラプンツェル」「あなたには帰る家がある」「群青の夜の羽毛布」「恋愛中毒」「きっと君は泣く」「パイナップルの彼方」などの長編や「そして私は一人になった」「結婚願望」「かなえられない恋のために」などのエッセイを含め、山本文緒さんが少女小説から一般文芸へ移行してからの作品はコンプリート。
6年ぶりの短編集、「アカペラ」ももちろん読了。
いまや、うちの本棚の中で多くのスペースを占める作家さんになっています。


例えば小説って、ありふれた何かをあらためて愛おしみたくなる気持ちにさせてくれたり、額縁に入れて飾っておきたくなるような言葉に触れられたり、私生活ではまるで縁のない別世界を垣間見せてくれたりしますが、山本文緒さんの描く作品のほとんどは、現実からかけ離れたものではないし、難解な言葉も、詩的な描写も、憧憬の的になるようなキャラクターも登場してこなくて、何かきらきらした尊さや、魅力的な華やかさを感じるわけではないんです。

それ故にか、あたしは山本文緒作品の中で好きなものはたくさんあっても、「一番好きな作品」というのがなくて、決め手となる「山本文緒が好きな理由」も具体的にあげられない。
だけど作家さんの中で一番好きなのは山本文緒さんで、一番安心して読めるのも山本文緒さんの作品なんです。

ありふれた日常を過ごしていると、「ありふれない」奇抜なものや衝撃的なもの、感動的なものをフィクションに期待してしまうことも多々あるのだけど、山本文緒さんの描く幸福なシーンは、大体がとてもささやかで、心を激しく揺さぶるような高揚感は得られない。
だけど、自分が日常的に感じる幸福というのは大抵、山本文緒さんの作品に出てくるような出来事で、そしてそれらが実際に自分の身に起きたときというのは、「ありふれてる」なんて思わなくて、他人が聞けば「なーんだ」と思うようなことであっても、自分自身、何度も経験してきたことであったとしても、いつだって自分の喜びに新鮮な躍動感を持たせる。


そんなふうに、どこにでもありそうな日常を切り取った山本文緒作品を読んでいると、ふと思うのです。
自分の人生は自分が主人公で、それはつまり「一人称の物語」がこの世に存在する人の数だけあるということ。
当然だけどそれは途方も無い数で、それぞれに悲劇があって喜劇があって衝撃があって感動があって憔悴があって絶望があって…って、途方も無い数の展開、途方もない数の結末がこの世に存在しているわけですよ。

想像しただけでその膨大さに立ちくらむ。
だけど、途方もない数の物語がこの世界に存在していることについてふと、考えの焦点を合わせたとき、「ああ、世界って面白いな」って、思うんです。

山本文緒さんは、あたしにとって、日常の何かに、「ふと」焦点を当てる機会を与えてくれる、そんな作家さんなのです。


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